RANDOM ―R&D広報誌
[39号(2001.11)] 知覚品質でみるブランド・ポジション 1/4
R&D 公開セミナー
マーケティング・フォーキャスト 2002
〜コンシューマー・インサイト〜

〜コンシューマー・インサイト〜
知覚品質でみるブランド・ポジション
株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント
第三CS 事業部グループ・リーダー・ディレクター
小田宜夫

「コンシューマーは面倒くさくなっている?」
 最近ジレンマに感じているのは、仕事でブランド問題を考えている時の自分と、一生活者(コンシューマー)である自分との乖離についてである。ブランドとは?ブランドのパワーを構成する要素は?などと話している自分と、日々の消費活動においてはほとんど何も考えずに行動している自分とには大きな隔たりがある。僭越な言い方をすれば、それは今日のマーケターとコンシューマーとのギャップを現してもいるのではないだろうか。「コンシューマーはマーケターが期待するほど、考えていない(こだわっていない)」と。
 いくつかのマーケットで独占や上位寡占などの、いわゆる一人勝ちという現象が見られる。当然、バイイング・パワーを活かした購買力や生産効率向上など企業サイドの努力の成果とも捉えられるが、一方ではコンシューマーの意識変化が起こっているとも考えられる。「コンシューマーは選択行動が面倒くさくなっているのではないか」と。
「コモデティ化とブランド選択の消極的な収斂」
 機能的ベネフィットではもはや差別性訴求が困難な状況である上に、コンシューマーの価格志向の高まり(デフレ経済が後押し)もあって、多くのマーケットで「コモディティ化」は避けられない状況にある。
 一方、コンシューマーの動向を、弊社生活者データベース「CORE」で見ていくと、最寄品や日用品を中心に「ブランドへのこだわり」が希薄になっている様子がうかがえる。「2〜3の銘柄に決めている」という割合は増加しているが、これは「まあ、このブランドにしておけば大丈夫であろう」といった、本当にそのブランドを支持しているのではない、消極的で弱いブランド・ロイヤルティと捉えられる。
 また、クルマやコンビニエンス・ストアなどでは、トップブランド、上位ブランドへのコンシューマー・ロイヤルティ(好感度)は向上を示しており、それらのマーケットで見られる昨今の上位寡占を裏付ける結果となっている。
 学習院大学青木教授がお話されているような「消費者は情報過負荷」に陥っており、生活者は「ブランド選択」に飽き飽きした結果、「ブランド選択は消極的な収斂」の方向性に向かっているのではないだろうか。
「ブランド・アイデンティティの確立とポジショニングの確認」
 上記仮説が正しいとなると、マーケターの大命題は「自銘柄をトップブランドに育成すること」、あるいは「最低限、2〜3の選択肢に入るようにすること」となる。今まで以上にセグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニングを意識した商品開発と同時に、ブランドの特徴を生活者の「頭の中に刷り込む」ようなコミュニケーションが求められるのではないだろうか。
 CBP(Core Benefit Proposition)と適度な差別性をいかに効率的に伝えていくためには、コミュニケーションの目的を「生活者の頭の中にストックされた自ブランドの情報をいかに自銘柄に優位に変化させていくか」に置き、顧客の視点でみて自ブランドが相対的にどのように位置付けられるかを把握できる仕組が不可欠である。


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