| 特集 「オリジナル調査から展望するシニアのライフスタイルと消費」 1/5 |
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株式会社 リサーチ・アンド・ディベロプメント 開発研究チーム マネージャー 野口 秀樹 |
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はじめに |
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公表されている高齢者に関する調査結果の多くは、基礎的な生活実態や、特定の商品・サービスに関するものが多く、高齢者の生活や消費を総合的に捉えたものは少ないようです。 当社では、1982年から毎年、首都圏の3000人を対象とする生活総合調査「CORE」を実施し、生活者の意識・行動の変化を観測しています。 COREの対象年齢は、当初は18歳から59歳まででしたが、1987年から上限を69歳に拡げ、さらに2002年調査からは74歳までに拡張して現在に至っています。また開始当初から現在に至るまで、性・年代ごとに対象地域の人口構成に比例して割り当てた対象者に対して、一貫して調査員による訪問調査を行い、代表性の高いデータを確保しています。 今回は、このCOREのデータから、シニアマーケットに関する知見の一部をご紹介します。 |
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シニアとは誰かー子育て完了がシニア消費者への入口- |
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「シニアマーケット」は言うまでもなく“シニア・コンシューマー”が形成するマーケットです。しかし、“シニア・コンシューマー”とは具体的に誰のことを指すのでしょう。いわゆるミドル・エージとシニアを区分する要因は何か、人はいつから“シニア・コンシューマー”になるのか、この問いに答えることは、簡単なようでいてよく考えるとなかなか難しい問題であることに気づかされます。 一般にミドル・エージと呼ばれる年代は、仕事や家事に追われ男女とも非常に多忙な印象があります。経済的にも、住宅ローンや家族の生活費、子供の養育費などの負担が重くのしかかり、苦しい状況にあります。 しかし一般にシニアと呼ばれる年代になると、時間的にも経済的にも、ミドルに比べてゆとりがあると考えられます。このような時間や経済面でのゆとり感、あるいは自由度といったものが、シニアの生活や消費行動の特徴を規定する大きな要因になっていることは間違いないでしょう。 では、こうした時間やお金のゆとりは、いつ、どのようなきっかけで生じるのでしょうか。私たちはミドルからシニアにかけて発生するさまざまなライフイベントと、ゆとり感の関係を調べてみました。 なお、経済的なゆとりは、保有資産や子供の状況などによる個人差が大きいため、指標としては「毎日の生活は自分の好きなことをする時間のゆとりがある」の割合を採用しました。 退職、子育ての完了、夫との離死別などの重大なライフイベントと「自分時間のゆとり感」との関連を分析したところ、「子育ての完了」が最も大きな影響を与えていることが分かりました。 末子が社会人であることを「子育ての完了」とすると、図1に示すように、年齢が同じでも、子育て完了グループと未完了グループでは「自分時間のゆとり感」に圧倒的な差が生じています。私たちが今回検証した範囲では、これほど大きな差が出る項目は他にありませんでした。 一般的に子供を持つ親は「子供が自立するまで」ということで自分のことを後回しにしても非常にがんばっています。子育ては楽しみも多い一方、大きな責任をともなう制約条件でもあるでしょう。この制約条件からの開放がシニアらしい生活・消費態度のカギを握っていると言えるのではないでしょうか。 |
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図1.子育て状況と時間のゆとり
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