#16 「ブランド戦略」とは?ブランドの定義やメリットについて考える

ブランドって何?

「ブランド」と聞くと多くの人は、「シャネル」や「エルメス」などのような、ファッション業界の高級なイメージを持つメーカーや商品を思い浮かべるのではないでしょうか。
もちろんこれらは立派なブランドです。しかし、ブランドを定義すると、それは決して高級感のあるものばかりとは限りません。ブランドとは、一般的には他社の商品と明確に区別するためにつけられた「商標」や「銘柄」のことです。マーケティングにおけるブランドの概念とは、「単に商品名だけに留まらず、商品そのものの価値とそれ以外のさまざまな付加価値も含めて、その商品に対して感じられる消費者のイメージや認識」のことです。
また、米国マーケティング協会は「ある売り手の商品・サービスを識別させて、競合他社の商品・サービスと差別化するための名称・言葉・記号・シンボル・デザイン、あるいはそれらの組み合わせ」と定義しています。

ブランドの語源

大昔、北欧で使われた古ノルド語で「焼印をつける」という言葉branderが「ブランド」の語源だといわれています。
牧場の所有者は自分の家畜に焼印を押して、買い手が他の牧場の家畜と区別できるようにしたのです。「焼印でどこの家畜かわかるようにした」ことによって①焼印があれば識別してもらえる、②焼印があれば安心して購入できる、③焼印があるとよいイメージを持ってもらえる、ようになったのです。現代の「ブランド」が持つ3つの機能、①識別機能、②品質保証機能、③象徴機能、とぴったりと当てはまるのです。
そして、これらの機能は、お客様に大きなメリットを提供します。お客様は「ブランド」の持つ力によって選択の手間や時間が省くことができ、確実に満足感を得ることができるのです。

ブランドには階層がある

ブランドには「コーポレート・ブランド」「事業ブランド」「ファミリー・ブランド」「個別ブランド」などといった、さまざまな階層があります。
「トヨタ」、「SONY」、「マクドナルド」などのように、企業名がそのままブランドとして認知されたのがコーポレート・ブランドです。事業ブランドは企業内における事業単位のブランドで、KDDIが行う携帯電話事業「au」などが該当します。ファミリー・ブランドとは、SONYの「VAIO」やサントリーの「BOSS」シリーズのように、いくつかの商品ラインナップを包括したものです。そして、キリンの「一番搾り」のように商品単体を指すのが個別ブランドです。
これらの階層の組み合わせでブランドは構成され、消費者のブランドイメージが増幅されていくのです。

ブランド・マーケティングの意味

ブランド・マーケティングとは、競合に対する優位性を築くことを目的に、自社ブランドの価値を高めていくマーケティング活動のことです。
に、競合商品と機能や品質に大きな差がない場合、ブランドを確立し、その価値を高めることによって、お客様がそのブランドを選択する可能性は高くなります。お客様が満足して2度、3度と購入し、ブランドが確立していくと、企業は顧客を囲い込むことが可能となり、お客様も安心して商品を選択することができるようになります。

ブランド・エクイティ

アメリカの経営学者デイヴィッド・アーカーが唱えた「ブランド・エクイティ」は、ブランドが持つ知名度や信頼感などの無形の価値を、不動産や有価証券といった他の資産と同様に「企業が保有する資産」として評価しようという考え方です。
ブランドを高い収益を上げられるまで育て、企業価値にまで高めることがブランド戦略の最終目標です。ブランド・エクイティの構成要素は次の4つです。

①ブランド認知→ブランドがどのように知られているか。お客様が商品・サービスを購入しようとするとき、そのブランドが候補にあがるようにしなければならない

②知覚品質→お客様が競合商品と比較して感じる優位性や信頼感。お客様に理解してもらい、買う価値を感じてもらわなければならない

③ブランド・ロイヤリティ→ブランドに対する愛着。繰り返し買いたいと思うようなブランドへの固執や忠誠心を育まなければならない

④ブランド連想→ブランドから想起されるもの。ブランド・アイデンティティ(企業が発信・維持したいイメージ)やブランド・パーソナリティ(ブランドを擬人化する)などのポジティブな連想を持ってもらい、このブランドなら買いたいと思わせなければならない

それぞれの要素を市場調査で分析・測定し、ブランド・マーケティングに反映させることを何度も繰り返しながら、企業の市場価値を少しずつ高めていくのです。

ブランドが企業にもたらすメリット

ブランドが確立すると、企業側にもさまざまなメリットが生まれます。

①価格設定 高価格設定が可能になり高いマージンがとれる
②製品戦略 ブランド拡張が可能になる。ライセンスの可能性が生まれる
③流通戦略 流通業者や小売業者サポートが手厚くなる。取引のリスクが軽減する

ブランドシンボルの役割

ブランドシンボルは、ひと目で「○○ブランド」だとわかると同時に、そのイメージを瞬間的に伝えることが大切です。
一般的に、ロゴマークやキャラクターなどでブランドを象徴的に表現します。たとえば、「シャネル」のあのマークは、誰が見てもシャネルだと認識でき、消費者に高級感をイメージさせます。また、「ミッキーマウス」を見れば、消費者は「ディズニー」を想起し、そのキャラクターに親近感を覚えます。
このように視覚的な印象でブランドをイメージさせることができれば、ブランドシンボルの役割を果たしているといえるでしょう。