#18 製品のライフサイクルが成功の鍵?それぞれの特徴を理解しよう!

4つのステージ

市場で成功を収めた、つまり売れて利益をもたらした製品は、市場に出てから段階的にはっきりと区別できる4つの期間を経ていることが知られています。
それをマーケティング用語では、人間の生涯になぞらえて「製品ライフサイクル」と呼びます。この製品ライフサイクルは①導入期、②成長期、③成熟期、④衰退期の4つの期間で構成されています。
企業は、それぞれの段階における売上や利益の変化に着目しながら、最適なマーケティング活動を行う必要があります。

導入期は「先行投資」と割り切る

導入期というのは、製品が市場に送り出されて販売が開始された段階のことです。
消費者に対して、製品の認知度がまだ高くないので、「どうやって知ってもらうか」がマーケティング活動の最優先課題です。この段階では、マスメディアの広告や販売業者への営業活動に重点を置き、認知度をあげて、コアとなる先進的なユーザーの獲得を目指します。
まだ売上が少ないうえに、市場導入のコストがかかるので、利益はほとんどなく、いわば先行投資の段階です。

成長期には「自社ブランドをアピール」

成長期は、市場に製品が受け入れられて売上が大幅にアップし、それにともなって利益も上がっていく段階のことです。ただし、ここに至らないまま姿を消していく製品も多々あります。
この段階は、製品のカテゴリーの可能性に着目した後発の企業が続々と参入し、競合製品が増え始めます。販売競争は激化しますが、販売業者数や取引量が急増し市場規模そのものが拡大していきます。
成長期には製品の機能やデザイン、価格などの付加的な部分における差別化が始まる段階なので、マーケティング活動の中心は「自社ブランドのアピール」となります。広告においては、製品の特徴を説明する広告よりも、イメージ広告が主流になります。また、市場への浸透戦略のために生産ラインの拡大や製品の改良が急務となるでしょう。

成熟期は「シェアの確保」に専念

成熟期は、製品がすでにユーザーのもとに行き渡って、いわゆる“飽和状態”となり、新たな顧客獲得が困難になっている段階です。それまでは新規需要が中心でしたが、買い替え需要への移行が進み、売り上げ全体の伸びは成長期に比べて減速していきます。
利益は安定する傾向にありますが、市場環境によっては競争が激化し、シェアを維持するために価格競争に陥り、利益が減少してしまう可能性もあります。この成熟期の長短が、製品の寿命の長さを決めます。
この段階では、新たな需要を喚起するようなマーケティング活動が必要となり、市場調査を行ってデータを分析し、それに基づいた製品のマイナーチェンジやターゲットの再定義などの方策が急務となります。

衰退期は「新製品開発あるいは市場からの撤退」を考えながら

衰退期は、お客様が製品に飽きてしまったり、価格や品質面から見て、より消費者ニーズに合致した代替製品が出現したりして、製品の魅力が失われていく時期です。売上は減少し、それにともなって利益も減少していきます。場合によっては販売を中止し市場からの撤退を図ったり、大幅なリニューアルをしたりして、製品への“てこ入れ”が求められます。

製品のライフサイクルの問題点

企業は、自社の製品が①導入期、②成長期、③成熟期、④衰退期のどの段階にあるのかを、正確に見極めることが必要です。
ところが、この見極めは、とても難しいといわれています。生物の世界におけるライフサイクルのそれぞれの段階は、はっきりしていて、順番は一定で連続的ですが、マーケティングにおけるライフサイクルは、はっきりしてはおらず、順番は不確かで、連続的とは限りません。
ライフサイクルの判断を誤ってしまうと、製品を死に追いやる危険性さえあります。だからこそ、自社の製品が市場でどのような状態にあるのかを市場調査で常に分析し続ける努力が大切なのです。

計画的陳腐化戦略

製品のライフサイクルを計画的に早めて、売り上げを伸ばすという戦略があります。
飽きやすい消費者に対応するため、製品のリニューアルやポジショニングを変えるなどして、製品の寿命を企業側が意図的に短くし、新たな需要を呼び起こし、製品の延命を図るマーケティング手法、これが「計画的陳腐化戦略」です。
陳腐化戦略の主な要素は、たとえば家電製品では「機能」、ファッション製品では「デザイン」や「素材」です。家電業界では新たな機能やより高度な性能を持った製品を売り出すことによって、古い製品の所有者の不満を高めて、新製品への買い替えを促します。
また、ファッション業界では各社がこれまでのデザインと異なるデザインを送り出すことによって、これまでのデザインの魅力を低下させて新製品への購買意欲を高めます。
計画的陳腐化では、資源の浪費や旧製品の廃棄といった問題に関わってくるため、企業は社会的責任をよく考慮して進めなければなりません。

製品のライフサイクルを十分に理解し、適切な手段を講じてチャンスを掴みましょう。