#20 流通経路のパターンと消費者ニーズにマッチした戦略

商品をお客様まで流通させる「チャネル」

商品・サービスを販売するときに「どこで売るか」はとても重要です。たとえ良い商品であっても、お客様が目にすることができなかったり、情報が届かなかったりすれば、売れるはずのものも売れません。一般的に、卸売業者や小売店のことを「販売チャネル」と呼びます。流通する経路やプロセスのことを指す場合もあります。たとえば、メーカーから卸売業者(複数の場合もあり)を経由して小売店に流れ、最後にお客様が購入するという商品が流れていくルートのことです。商品・サービスを「どのような経路でお客様まで到達させるか」を考え、できるだけお客様に届きやすい販売チャネルを獲得してゆくことが「流通戦略」なのです。

商品特性によってチャネルは異なる

チャネルは商品の特性や金額などによって変化します。お客様に商品やサービスが届くまでの流通経路に流通業者がどれくらいかかわってくるか、つまり流通チャネルの「長さ」によって、いくつかに分類することができます。

①3段階チャネル
2つ以上の卸売業者と小売店が介在し、数多くの小売店に商品を届けることができます。元卸、中卸、小卸などが何段階も入る場合もあります。チャネルを長くすればするほど、小売店が増えると考えられるので、日用品や薬品、加工食品、飲料などの商品は、チャネルを長くする戦略を考えたほうが良いでしょう。そのほかにも、ゲーム、DVD、書籍などがこれに当たります。

②2段階チャネル
メーカー資本の販売会社から小売店に販売する手法で、化粧品や家電業界などに多く見られるケースです。メーカー主導で、価格の維持が容易になるというメリットがあります。

③1段階チャネル
生鮮食料品などの場合、できるだけ速く小売店まで行きつく必要があるので商品を直接小売店に届けます。

④ゼロ段階チャネル
通信販売・インターネット販売などを含み、ダイレクト・マーケティングとも呼ばれます。

ダイレクト・マーケティングの特徴①

住宅の販売を例に考えてみましょう。住宅を売るには、設計のコンセプトから資材や立地、利便性など、さまざまな説明が必要です。そのため仲介業者が入る(チャネルが長くなる)と、住宅そのものの特徴がお客様に伝わりにくくなります。また、仲介業者が増えれば増えるほど、お客様は高い金額で買わなければならなくなります。その結果、もともと高いものが、さらに高くなり、売れるはずのものも売れなくなってしまうかもしれないので、チャネルを長くしないほうが「効率がいい」ということになります。

ダイレクト・マーケティングの特徴②

インターネット上のショッピングモールや販売サイトを自力で立ち上げた個人商店など、大小さまざまな販売店がインターネットをチャネルとして活用しています。これらの多くは通信販売で、ダイレクトに商品を販売しているので、チャネルが短い流通例として挙げられます。さらに、双方向性を活かし、アフターフォローや意見の収集なども可能なので、マーケティングにおいても、非常に重要なチャネルです。インターネットを利用した通信販売の売上は今後ますます増加するでしょう。

商品に対するニーズを検討する

いざお客様が「欲しい」と思ったときに、購入しやすい場所に商品が売っていなければ我慢してしまうかもしれません。また、場合によっては他社商品を購入してしまうかもしれません。そのため、「どこで売っているか」ということも非常に重要です。流通チャネルは「幅」によっても3つに分類することができます。

①開放的流通チャネル

販売業者を選ばず、お客様がどこでも買えるようにするため、取引を望む販売業者に広く流通させるのが開放的流通チャネルです。例を挙げてみましょう。「今日は家に帰って一杯やるか!」と思ったビジネスマンがいたとしましょう。その瞬間に「どこで売っているか」を頭に思い浮かべているに違いありません。帰宅途中にあるスーパーや酒屋さん、あるいはコンビニエンスストアやちょっと遠いけれど安いからいつも利用しているディスカウントショップかもしれません。それらの小売店は、この人が「欲しい」と思ったときに手に入りやすい場所にあります。

②選択的流通チャネルと③専属的流通チャネル

条件にあった販売業者に限定して取引し、流通コストを抑える戦略で、化粧品会社や飲料メーカーによく見られるのが選択的流通チャネルです。また、特定の地域における代理店・特約店として、販売業者を絞り込むことによって、価格競争を回避し、ブランドイメージを高める戦略が専属的流通チャネルです。例えば、東京・銀座に多い高級ブランドの直営店は、銀座という高級なイメージやアクセスの良さなどを考慮して出店しており、他社製品を寄せ付けない=専属的な力があるでしょう。

上記のような販売チャネルの違いを念頭に、お客様が「どこで買いたいのか」と「いつ買いたいのか」ということを考慮し、時間的・地理的に有効な販売チャネルを活用しましょう!