#24 メディアミックスの考え方

メディアミックスの考え方

媒体戦略によって変わる効果

マーケティング戦略の中核をなす「広告」は、商品・サービスを多くのお客様に知ってもらうために欠くことのできないものです。より高いマーケティング効果を得るために、様々なメディアを組み合わせて広告宣伝をおこなうことを「メディアミックス」と呼びます。近年、テレビCMで「詳しくはネットでご覧ください」といった表現が増えていますが、これはテレビが持つ視覚・聴覚に訴えるインパクトの大きさと、ネットが持つ詳報性・双方向性を共に活かし、お互いの短所を補おうという手法で、メディアミックスの代表例といえます。また、駅の構内に掲出されているポスターや雑誌などにQRコードを印刷して、商品・サービスに興味を持ったお客様をネットの自社サイトへ誘導する仕掛けもよく見かけます。これらの場合、お客様自らが能動的にサイトを訪問してくれるので、以降のサービス利用につながる可能性が高く、大きなマーケティング効果が期待できるメディアミックスの手法です。
数ある商品の中には、「どれか1つのメディアにおいて広告すればよい」という特性を持つものもあります。しかしほとんどの場合、メディアを複合的に利用したほうが、より高い広告効果が得られます。そのために必要なのがメディアミックスです。メディアミックスは、プロモーションの最重要課題のひとつです。

メディアの特徴を活かそう

メディアには、それぞれ長所・短所がありますので、広告の狙いに合わせて、選択するメディアは変わってきます。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・交通広告・屋外広告・インターネットなどのメディアの、それぞれの特性をよく理解し、広告をターゲットにしっかり届け、最終的に自社の期待に沿った方向にお客様の行動が導かれていくように、ベストな組み合わせを選択しなければなりません。

訴求ポイントを第一に考える

ある商品のメディアミックス戦略を考えるとき、その商品イメージを伝えるのか、それとも商品の詳細な情報を伝えるのか、それによって選ぶべきメディアは大きく異なってきます。
また、「商品を使ったことによる効果」を伝えたい場合と、「他社では真似できない技術がある」ことを訴求したい場合でも選ぶべきメディアは大きく異なってきます。さらに、長期間のプロモーションであれば、当初はイメージを伝えることに力を入れ、後半は詳細情報を伝えていくなど、期間と時間経過によって考える必要もあります。メディアミックスは、単にターゲットだけを考えるのではなく、訴求ポイントや広告表現などを含めて考えることで、はじめて成立するものです。

到達率や接触回数を検討する

マーケティング戦略上、「どれだけ多くのお客様」が「どれだけの回数」広告を目にしたかは非常に重要です。それらを表わす、「リーチ(Reach)=到達率」と「フリークエンシー(Frequency)=接触回数」はメディアミックスを考えるにあたって欠かせない要素です。リーチは、「一定の期間内に、広告を一度でも見たことがあるお客様の割合」のことで、どれだけのお客様に広がったかを示します。フリークエンシーは、広告を見た回数のことで、「広告を見たお客様に何回見られたか」を表します。
例をあげて説明しましょう。「40代・50代の男性ビジネスマンをターゲットにしたドリンク」を売りたいとします。この場合、やみくもにリーチ(到達率)を伸ばすことは効果的とはいえません。商品のターゲットを中心に、フリークエンシー(接触回数)が多いほうが、効果が大きいと考えられます。このターゲットに対するフリークエンシーを上げるためには、メディアはテレビに限りません。ほかのメディアも使い、いろいろな場面で商品情報に触れてもらうことが重要です。まず考えられるのはターゲットがビジネスマンですから「平日の早い時間帯は家にいない」ということです。テレビならば、ターゲットが興味を持ちそうな“遅い時間帯の報道番組”に対する提供が考えられます。また、首都圏に住んでいるターゲットを想定し、電車の中刷りポスターなどの交通広告の掲出も考えられます。新聞で詳しい商品情報を提供し、さらにビジネスの現場で触れる機会の多いネットへの広告出稿も考えられます。こうした広告展開がうまくはまれば、
 1. 帰宅してテレビCMを見る
→2. 翌朝、新聞広告を読む
→3. 通勤途中にポスターを見る
→4. 仕事中にネット広告を見る
といったように広告への接触頻度を増やすことができます。ひとつのメディアで同じ広告を何度も見せるより、複数の媒体を利用してターゲットにアピールするほうが、より強いインパクトを与えられることがよくわかります。
もちろん、ビジネスマンですから、インターネットの利用頻度も多いと考えられます。ターゲットの属性を選んで広告を表示する手法も一般的になっていますので、それらも検討する価値大です。

メディアを的確に選択する

広告の狙いは、お客様に「買ってみようか」と思ってもらうことです。費用対効果の面から考えても、広く告知することを狙ってやみくもにリーチを伸ばすのではなく、中心となるターゲット層を狙って、接触機会を増やすような計画を立てることが、メディアミックス戦略では重要です。伝えたい情報が商品のイメージなのか、詳細情報なのか、また、広告表現も考え合わせて、メディアを的確に選択すれば、チャンスは必ずつかめるでしょう。