#26 デジタルマーケティングとオムニチャネル

デジタルマーケティングとオムニチャネル

カスタマージャーニーに注目

現代の複雑化した購買行動を把握するにはたいへんな困難が伴います。多様な価値観を持ったお客様がどのように行動し、最終的に商品・サービスの購入までに至ったか、を分析する手法として、「カスタマージャーニー」が注目を集めています。「カスタマージャーニー」によってお客様の購買行動を可視化し、お客さま目線で考えたマーケティング施策を打ち出すためには、商品の認知→検討→購買→利用→定着→リピートというお客さまの一連の「旅」に、総合的にアプローチしていく必要があります。

デジタルマーケティング

情報の伝達はネットとスマホの普及の拡大によって大きく進化しました。商品情報が瞬時にSNSやクチコミサイト経由で閲覧できるようになったため、お客さまが実店舗で、商品・サービスを目の前にして、スマホを使って情報検索や価格比較をすることもごくごく当たり前の光景になっています。
そして、お客様と企業の「双方向」のつながりができて、お客様の行動が「見える」ようにもなりました。お客様の行動に合わせて広告を配信するなど、よりターゲットにあったプロモーションを行う手法も急激に広がっています。つまり、「企業の働きかけ」と「お客様の反応や行動」が、デジタルデータで見えるようになったのです。
このようなマーケティングのデジタル化によって、データの精度は高まり、企業内での情報共有も容易になりました。パソコンやスマホなどのデバイスによるデジタルテクノロジーを駆使し、お客さまが、ある商品・サービスに出会ってから購入するまでの、いくつもの過程をデジタルデータにして、分析するのが「デジタルマーケティング」です。

Webマーケティングとの違いは?

デジタルマーケティングと似た用語に「Webマーケティング」があります。これは自社サイトを訪れたお客さまのサイト内でのアクセス履歴を追うことによって、お客さまがどのような情報を求めているのかを探るものです。かたや、デジタルマーケティングは、Webサイトのアクセス履歴だけではなく、スマホやタブレットのブラウザや公式アプリの行動履歴、端末のアプリ、商品に搭載されたIoT経由で収集される包括的なデータといったデジタル情報、リアルなイベントでの反響や店頭への来店データ、販売履歴なども収集対象になります。さらには、ブログ記事、Eメール、コールセンター、資料請求、検索、照会、SNS、などといった様々なチャネルから収集するデータを活用するのが特徴です。デジタルマーケティングはWebマーケティングよりも広範な概念として用いられています。

オムニチャネル

デジタルマーケティングの重要なキーワードの 1つが「オムニチャネル」です。デジタルテクノロジーの発展に伴って商品・サービスの購入方法や情報収集の仕方が変化し、ネットと実店舗の境目がなくなってきています。お客様は、ときにはネットで情報収集して実店舗で購入をし、ときには実店舗で見て気に入ったものをネットで購入するのです。お客さまがあらゆるチャネル(販路、接点)から購買ができるよう、流通経路をつなげ、すべてのチャネルでお客さまに対して統一されたサービスを提供しようという考え方が「オムニチャネル」です。

マルチチャネルとの違いは?

「オムニ」は「全部の」「すべての」「あらゆる」という意味です。いくつかの販路を組み合わせて提供する取り組みは、マルチチャネルと呼ばれていますが、オムニチャネルはあり得る全ての販路を統合することに焦点が当てられ、より進化した考え方だといえます。収益をあげるカスタマージャーニーの設計には、オムニチャネルの実現が必要です。デジタルマーケティングは、Webマーケティングをオムニチャネルに対応させたものと言ってもよいでしょう。

いかにネットを活用するか

企業活動を円滑におこなう上で、ネットはもう不可欠だという事実は今後も変わることはありません。既存のビジネス資源である実店舗を有効活用できるかどうかは、どのようにネットを使っていくかにかかっていると言っても過言ではありません。今日の、デジタル経済の特徴は、お客さま同士が、SNSを利用することによってつながる点にあります。「カスタマージャーニー」対応のために、市場調査のデータに裏付けられたオムニチャネルを構築して、お客さまに対して様々な働きかけすることが求められています。消費行動においてリアルとネットの壁がなくなった現在、スマホを中心に据えたマーケティング施策は必須といってよいのではないでしょうか。