#27 集計・分析にバリエーションを持たせる

マーケティング課題の解決のために

マーケティング戦略上の意思決定を、より少ないリスクで、効率的におこなうためには、市場調査の助けが必要です。市場調査で得られたデータを多種多様なマーケティング課題の解決に役立たせるために、さまざまな集計・分析がおこなわれています。データの集計・分析にはどのようなバリエーションがあるのでしょうか?

単純集計

最も基本となる集計が「単純集計」です。調査結果の実数や比率を度数分布表などであらわします。得られたデータの分布状態が明らかになるので全体の傾向が大まかに把握できます。「GT(グランドトータル)」ともいわれ、結果をさらに深く分析するための第1段階として、どのような集計をする場合でも、最初におこないます。

中央値

すべてのデータを大きさ順に並べたときに、全体の真ん中になる数字が「中央値」です。データの数が偶数の場合には中央の2つの数字の平均値を求めて中央値とする場合が多いです。中央値と平均値を比較すると、極端に大きい数字または小さい数字(外れ値)があった場合に、平均値は影響を受けてしまいますが、中央値は外れ値の影響を受けません。

最頻値

データの中で頻度が最も高い数字が「最頻値」です。最頻値のデメリットは、データ数が少ない場合は使えない、という点です。たとえば、どの数字も1回しか出てこなかったら、最頻値を求めることができません。代表値として挙げられる平均値、中央値、最頻値、の3つすべてを使おうとすると多すぎて、かえって混乱が生じます。まずは平均値と中央値を求め、この2つの値が近ければ平均値を使い、2つの値が離れていれば中央値を使い、2つの値が大きく離れていれば最頻値を使うのが一般的です。

クロス集計

単純集計だけでは、全体の比率はわかっても、個々のデータが持つ属性はわかりません。たとえば商品・サービスの購入者の比率を性別や年齢別、地区別で知りたい、といった場合、属性別に集計するのがクロス集計です。クロスとは「複数にわたる」という意味です。調査の目的によって、基本属性以外にも、さまざまな切り口でクロス集計はおこなわれます。分析をするためにおこなわれるのがクロス集計です。

相関分析

2つ以上のデータの間で、片方が変化すると、もう一方もそれに応じて変化する関係を相関といいます。データの関連性の強さを求めるのが「相関分析」です。たとえば、ある商品・サービスの総合満足度と、要素別の満足度を、掛けあわせて相関分析をおこなうと、総合満足度に最も関連している要素があきらかになります。あらゆる分野で収集・蓄積が進むビッグデータから、予想もしなかった相関関係を見つけ出せれば、新たなビジネスチャンスを掘り起こすことができるかもしれません。相関分析をおこなう際に注意を払わなければならないのが「擬似相関」です。データを見るとあたかも相関があるように見えるのに、実はその相関関係は、隠れている別の要素の影響によるもので、もとの2つの要素の間には相関関係が存在しないというのが擬似相関です。擬似相関は「みせかけの相関」とも呼ばれます。また、たとえ相関関係にあったとしても、必ずしも一方が原因で、もう一方が結果であるとは限りません。

多変量解析

多くの情報(変数)の関連性を明らかにする統計的手法が多変量解析です。様々な要因が絡み合ったデータは、それぞれの要因がどの程度重要なのかがすぐにはよく分かりません。「複数の要因の関係性を分かりやすく説明する」ために多変量解析が用いられます。多変量解析をおこなったからといって、それであらゆるマーケティング課題が解決するわけではありません。

分析作業自体が目的になってしまわないように、あるいは分析結果が使えないものになってしまわないように、分析手法の特性をしっかりと理解した調査会社に依頼をして、目の前のチャンスを確実に掴みましょう。